虫籠
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「ほれ、もっと腰を振れや」
「あ、や……、あ…、あ……、あん…」
どんどん艶っぽさを増す三田の喘ぎ声を聞きながら、櫛川は込み上げる笑いを抑え切れなかった。
「ふ。随分男も抱いたがよ、おまえみてぇな淫乱、初めてだぜ」
まだまだ言葉でも嬲るつもりで、櫛川は言った。
ゆっくりと三田の尻の膨らみを撫でながら、中を擦る。前立腺を緩々と擦られて、三田は我慢出来ずにまた声を漏らした。
「気持ちいいか?ええ?」
親指で双丘をぐりぐりと揉みながら、櫛川は三田の顔を見下ろした。
否定しようとして首を振ろうとしたが、その表情はすでに快感に溺れそうになっていた。
「ほれ、ここだろうが?」
腰を繰り出し、グリッと中を擦ってやると、三田がまた甘い声を上げた。
「あんっ…、やぁ…っ……あぁんッ」
身体に力が入らないのか、三田は腕を突く事も無く、上半身をベッドの上に預けたままだった。
こんなに服従しているように見えて、正気に戻ればまた自分に反抗的な態度を取るのだろう。それを思うと、櫛川はまたゾクゾクした。
煽ってやればやるほど、終わった後で三田は酷く悔しそうな様子を見せる。自分が櫛川に逆らえなかったことが余程悔しいのだろう。
それを見るのが、また櫛川の楽しみだったのだ。
「ふぅん…、ふ……んぅ…」
恍惚として、三田は無意識に喘ぎ続けている。
時折、強く擦ってやると、その度に尻を震わせてトロトロと射精を繰り返した。
「イキっぱなしだな?ええ…?」
「ちがッ…、ちが…うぅ…」
「ふ、強がったって無駄だ。身体は逆らえちゃいねえよ」
尻に置いていた手を滑らせ、櫛川は三田の脇腹を通ってそれを胸へと動かした。
「ほれ、分かんだろうが?」
尖った乳首を摘み、キュッと指先で揉んでやる。すると、三田がまたブルッと震えた。
「ふぁッ…」
「今度は乳首でイッたんか?マジでド淫乱だな、おめえは…」
クックッと楽しげに笑い、櫛川はさらにグリグリと三田の乳首を揉みしだいた。
「あっ…、ああッ…」
中を激しく突かれながら更に乳首も責められて、もう三田は諦めたように目を閉じると、ただ喘ぐしかなかった。
「もう、痺れちまったか?他愛もねえ…」
馬鹿にするようにそう言うと、櫛川は三田の乳首から手を離し、また腰を掴み直した。
「ふっ、いいねえ…。抜こうとすると、まるで、しがみ付いてくるみてえだぜ」
次第に息を荒げ、櫛川は三田の身体を楽しみ始めた。
こうして抱かれている時の三田は、まるで自分の物になったような気がすると櫛川は思った。
心は決して落ちないと、いつでも精一杯の意地を張り通している三田だったが、この時ばかりは、彼の身も心も自分の手の中にあるように思えてならなかった。
「くっ、堪らねえ…。今日は特に、具合がいいッ」
櫛川が前立腺を集中して擦ってやると、三田はすすり泣くような声を上げて善がった。
「ほれ、いいか?いいって言え」
強く突きながら櫛川が言うのに、三田は弱々しく首を振った。
だが、もう、言葉で逆らう気力は残っていなかった。
すると、櫛川がするりと三田の中から出て行った。
「あ、いやッ…」
思わずそう言った三田の身体を転がし、櫛川はその上に圧し掛かった。
「もっと欲しいって言えよ」
命令するようにそう言った櫛川をキッと睨み、三田は顔を背けて目を逸らした。その頬を片手でぎゅっと掴み、櫛川は三田の目を覗き込んだ。
「言えって」
言いながら、櫛川は片手を三田の胸に当て、乳首を摘んで弄り始めた。
「あっ、や…」
蕩けそうになっていた身体を弄られ、三田は堪らずに身を捩ると、すぐに声を上げた。
「言えよ」
構わずに攻め続け、櫛川はまた命じた。
「んっ…く…、ほ、欲しいッ……。もっと欲しいぃッ…」
とうとう屈した三田を見て、櫛川はニヤリと笑った。
「ククク…」
楽しげに笑い、櫛川は三田の身体から手を離した。
「てめえで脚持って広げろ」
命じられて三田は悔しげな顔になったが、そろそろと自分の両脚を抱えて櫛川の前に広げた。
ニヤニヤと笑いながら、櫛川は自分自身を持つと、開いたままの三田のアナルへそれを突き入れた。
「はぁぁ……んッ」
歓喜の声を上げ、三田が仰け反る。
無意識に唇を舐めていることを、彼自身は気付いていないのだろう。
櫛川が唇を押し付けると、さっきは嫌がった三田が今度は素直に受け入れ、両腕を櫛川の首に回した。
キスをされて喘ぎ、益々艶っぽく啼く三田を、櫛川はじっと見下ろした。
この男を、何時まで手元に置いておくつもりなのか、櫛川は自分でも分からなくなっていた。
本当は、何度か抱いたら、すぐにでも飯村辺りに下げ渡すつもりだった。
だが、珍しく惜しくて手放すことが出来ない。
そして、まだまだ櫛川は三田に飽きることが無かった。
何かに執着することを櫛川は知らない。
だからこそ、こんな自分に戸惑いを感じた。
「ああ、くそっ……出すぜッ…」
グッ、グッと、三田の中を擦り、櫛川はその奥に精を吐き出した。
今夜は、この中が溢れるまで三田を抱くつもりだった。
そして少しでも、自分のこの気持ちが何なのか、櫛川は確かめたいと思っていた。
「んー……」
櫛川がペニスを引き抜くと、三田は艶かしい声を上げて少しだけ仰け反った。
抜かれた後も、三田のアナルは開いたままでヒクついている。ローションと体液で濡れ、濃いピンク色の粘膜を覗かせた様は酷く淫猥だった。
そこに、2本の指を差込み、櫛川は中を掻き混ぜた。
「ああーっ…」
クッと三田の臀部に力が入り、また喘ぐ。
どこまでも性欲の尽きない三田の身体だったが、恐らくは、櫛川に抱かれるようになるまで、自分の中に眠る欲望を知りもしなかったのではないだろうか。
温く温くとした“そこ”は、まだ吸い付いてくるようだった。
ニヤリとして指を抜くと、櫛川はまだ勃起の収まっていなかったペニスを、そこへまた差し入れた。
「はぁぁ……」
快感に、また三田が声を上げた。
まるで蕩けそうな表情を浮かべ、腰を揺すられるのを待っているようで、大きく開いた脚は、膝がシーツに着きそうな程だった。
今この時の三田は、確かに櫛川の物に違いなかった。
「あふ…ぅぅっ……」
突いてやると、あられもなく喘ぐ。
そして、半勃ちのペニスから、また、とろりとザーメンを吐き出した。
「いいこと考えたぜ」
三田を見下ろし、ゆっくりと腰を使いながら櫛川は言った。
「ホモのエロ動画を売ってる奴がいるから、おまえを撮らせよう。こんな淫乱なら間違いなく売れるからな」
その言葉を聞き、閉じていた三田の目が開いた。
「い、嫌だ……っ」
その言葉を聞いて冷ややかに見下ろすと、櫛川は三田の顔の両側に手を突いた。
「言ったろうが?おまえに選ぶ権利なんかねえんだよ。俺がやれって言ったら、どんな相手の、どんなチ○ポだろうと咥えるんだ。逆らうんなら、薬使うぞ」
ドスの効いた声で櫛川が言うと、珍しく三田が泣きそうな顔になって首を振った。
「い…、やだ。頼むから……。他の男は嫌だ…っ」
最後はいかにも悔しそうに、三田はそう言った。
その言葉を聞いて、櫛川は僅かに目を見開いた。
「なんだ、そりゃ?俺のことが好きだとでも言うつもりか?」
櫛川が言うと、三田はまた櫛川を睨んだ。
「違う…ッ」
「じゃあ、なんだ?俺とすんのが善くって堪らねえって?他の男とじゃ感じねえって?」
「ち…がうっ」
いかにも悔しそうに、三田は言った。
その所為で、それが否定ではないのだと櫛川には分かってしまった。
「ふぅん?」
ニヤニヤと笑い、櫛川は両手の指で勃起した三田の乳首を乱暴に摘んだ。
「ふぁっ…」
敏感な乳首を弄ばれて、すぐに三田は啼いた。ゆるゆると腰を使ってやると、声が激しくなる。それを楽しみながら、櫛川は言った。
「エロいなぁ、おまえ…」
ぐちゅぐちゅと音を立てるアナルから、さっき放ったザーメンが溢れ出した。
「気持ちいいって言ってみ?したら、考えてやってもいいぜ?」
櫛川の言葉に、三田の手がギュッとシーツを掴んだ。
揺すられながら喘ぎ、だが、それを押さえるように唇を噛む。
薄っすらと目を明けて櫛川を見ると、またギュッと瞑って顔を背けた。
「い…い…、んっ…く、い……気持ちいいッ…」
不本意だったろうが、妙に甘ったれた調子になりながら三田は言った。陥落した、と言ってもいいだろう。
悔しくて堪らない筈だったが、それよりも快感に抗えず、三田は喘ぐのを止められなかった。
「くくく……。仕方ねえ、考えといてやるよ」
楽しげにそう言ったが、櫛川は考えを改める気は無かった。
三田が嫌がるなら、わざとそうしてやろうと思ったのだ。
そして、悔しがる彼の顔を見て、また楽しむつもりだった。
「ほれ、いいかっ?俺のチ○ポ、いいかよっ」
激しく三田の中を擦りながら櫛川は言った。
「んっ……んっ…いいっ……いいッ…」
もう諦めてしまったのか、今度は素直に頷き、三田は喘ぎ続けた。
だが、事が終わり正気に戻れば、きっとまた逆らうのだろうと櫛川は思った。
そうでなくては面白くない。
逆らい続けて、自分を惹きつけろと櫛川は思った。
(そうすりゃ、棄てねえで可愛がってやるからよ…)
心の中で呟いて苦笑し、櫛川は開いた三田の濡れた唇に、愛しげに唇を押し付けた。