虫籠
-3-
もう1度、飯村を呼び、櫛川は三田を軟禁している部屋へ連れ帰るように命じた。
「おまえが汚した孔の中まで綺麗に洗ってやんな。けど、もう手は出すんじゃねえぞ」
櫛川の言葉を聞いて、飯村は少々不満そうだったが素直に頷いた。逆らっても、いいことなど無いことは良く分かっていたのだ。
汚れた身体を碌に拭くことも許されず、三田はふらつく身体のままで部屋から連れ出された。
幾らか悪戯はされるだろうが、さすがに飯村も櫛川の目を盗んで三田に手をつけることは無いだろう。
事務所へ顔を出して幾つかの指示を出すと、櫛川は若い者に運転させて三田の居る部屋へ向かった。
楽しくて、思わず鼻歌が出た。
社長のそんな様子を、今までに見たことが無かったので驚いたのだろう。それを聞いて、運転手はそっと肩を竦めた。
建物に着いて櫛川が部屋まで行くと、ドアの前に椅子を置き、三田を送って来た飯村がそこに座って雑誌を読んでいた。
「あ、お疲れ様っす」
櫛川を見ると立ち上がり、飯村は頭を下げた。
「今日はもう、帰っていいぞ」
櫛川が言うと、飯村はもう1度頭を下げて、今櫛川が乗って来たエレベーターの方へ向かった。
ドアを開けて部屋に入ると、三田はぐったりとした様子でベッドの上に横たわっていた。
飯村に風呂に入れられ、その時にまた何かされたのだろう。三田は、精も根も尽き果てた様子だった。
だが勿論、櫛川は彼を見逃すつもりは無かった。
「おい」
ベッドの傍に行きながら声を掛けると、三田は億劫そうにゆっくりと起き上がった。
「やるなら早くしてくれ。眠りたいんだ」
芯から疲れたように三田はそう言った。
まだ濡れたままの髪で、白いローブを着ていたが、多分その下は何も着けていない筈だった。
口を歪めて手を伸ばすと、その裾を掴み、櫛川は乱暴に持ち上げた。
思った通りの裸の下半身が現れ、三田はサッと顔を赤らめた。
「何時まで経っても生意気だなぁ。まあ、そこが気に入っちゃぁいるんだがよ」
ぞんざいな口調でそう言うと、赤らめた三田の顔をニヤニヤと眺めながら、櫛川はベッドの上に腰を下ろした。
上着を脱いでネクタイを外し、それらを乱暴に床の上に投げると、櫛川は顎を杓った。
「咥えな」
命じると、三田の顔が悔しさで赤くなった。だが、唇を引き結ぶと、手を伸ばして櫛川のベルトを外した。
そして、ペニスを取り出し顔を近づけると、そろそろと口に含んだ。
目をギュッと瞑り、三田は何も考えまいとしているようだった。
そんな様子を見るのも、楽しくて仕方が無い。そして、すぐに自分に屈し、犬のように言うことを聞いた今までの男や女を櫛川は思い出していた。
そういった輩は、すぐに櫛川を飽きさせた。
興味を失えば、物を扱うように部下に下げ渡し、その後は売り飛ばすか薬漬けにして客を取らせた。
その後のことは気にもしていないが、生きているのは、その半数くらいかも知れない。
だが、この三田だけは今も櫛川を飽きさせなかった。
アナルの具合はいい。
この頃は感じる所為か、前よりもずっと絡みつくようで堪らなかった。
だが、フェラチオは幾ら教えても上手くならない。それは、奉仕しようという気持ちが三田には無いからだろう。
「チッ…」
舌打ちをして、櫛川は後ろに手を突いた。
「下手糞。もっと、舌を使えって言ってんだろ?」
言われて、三田は舌を使い始めたが、呆れるほどに不器用だった。
「もういい。ケツ出しな」
呆れたように言って、櫛川は三田の髪を掴んだ。
仰け反らされて、三田は櫛川を見上げる格好になった。
その目は相変わらず反抗的だった。
じっと見下ろしていた櫛川が、突然、三田を押し倒した。
キスしようとする櫛川を、三田はさせまいともがき、押し退けようとした。だが、片手で首を絞められ、諦めて力を抜いた。
唾液を注がれ、不快感に顔を歪める。だが、逃れるのを諦めた三田は仕方なくそれを飲み込んだ。
ゴク、ゴク、と何度も喉が動く。
その内に、三田の手はいつの間にか櫛川の背に回されていた。
すっかり舌を弄ばれ、諦めただけではなく三田は恍惚としてきていた。
「ぅふっ」
舌を噛まれて艶っぽく喘ぐと、三田は無意識に下半身を櫛川の身体に摺り寄せた。
「欲しいか?淫乱」
唇を離し、櫛川が馬鹿にしたような口調で言った。
反抗的な態度を取っていながら、最後には自分に抱かれて歓喜の表情を見せる。そんな三田が、櫛川には堪らなかった。
だから、彼が快楽に屈するまでの間、とことん辱めてやるのだ。
「ほれ、欲しけりゃ四つん這いになんな」
肩を乱暴に押してそう言うと、三田はまた櫛川を睨んだ。
「それとも、いつもみてえに床の上で犯られてえか?今日は折角ベッドで優しく抱いてやるって言ってんのによ」
ニヤニヤ笑って櫛川が言うと、三田は諦めたようにノロノロとベッドの上に両手を突いた。
乱暴にローブの裾を払い上げ、三田の尻を露出させると、櫛川はサイドテーブルからジェルの入った注射器型の容器を取り、遠慮も無くその先を三田のアナルへ差し入れた。
中身をチュっと注入されると、三田の身体が僅かに反応した。
それを見ながら、櫛川はシャツのボタンを外した。
「昼間もたっぷりしたし、さっきも飯村に悪戯されてんだろ?このまま突っ込んでも構わねえな?」
櫛川が言うと、三田が僅かに顔を此方へ向けた。
「あの男は嫌だ。あの男には、もう、させないでくれ」
「へえ?なんで?おまえ、飯村に犯られて気持ち良さそうに何度もイッてたろ?」
言いながら、櫛川は容器をぐっとアナルの奥へ差し入れた。
声を上げた三田に構わず、櫛川はそれを何度も抜き差しした。
「ここをあいつの真珠で擦られて善がってたじゃねえか。ん?それに、おまえに選り好みする権利があるとでも思ってんのか?」
「い、嫌だっ…。兎に角、あいつは嫌だッ」
「煩せえ。誰のチ○ポだろうと、俺が命じたら黙って咥えろよ」
「くっ…」
櫛川の言葉に悔しげに呻いたが、その身体はもう反応を始めていた。
そのギャップを、櫛川は十分に楽しんでいた。
「それとも…」
容器を抜くと、その後へ櫛川は自分のペニスを宛がった。
「俺のコレが好きだって?」
「ぅうっ…んッ…」
突き入れられて激しく呻くと、三田は両手でシーツを掴んだ。
すぐに揺すられて、ガクンと両腕が折れる。そのままベッドに胸を着け、三田は腰を上げたまま櫛川の身体を受け止めた。
「ふふ…、何時もはキツ過ぎるが、すっかり緩んでいい具合になってるぜ?これからも俺が突っ込む前に飯村に前座をやらせるか…」
「いやだッ…。嫌だぁ……」
そう言って首を振ったが、三田はもう感じ始めているらしく、言葉の合間に喘いでいた。
「だったら、もっと俺を喜ばせなっ…」
乱暴に三田の腰を掴み、櫛川は激しく身体を打ちつけ始めた。
「うくッ…、あぁ……あぁ…」
息が上がり、三田は苦しそうに、だが、快感に抗えずに喘いでしまっていた。
揺すられる度に、股間では半勃ちしたペニスが激しく揺れている。その先から、白い体液が細く糸を引いて飛び散った。
「くくっ…。分かるか?おまえ、射精しちまってるぜ」
それを見つけて櫛川が嗤うと、三田は嫌々をするように首を振った。
「ちが……」
「違わねえよ。もう、ケツのが感じんだろ?ええ?」
あくまでも三田を馬鹿にしながら、櫛川は彼の身体を楽しんだ。
(今夜は気絶するまで犯してやるよ…)
沸き上がってくる喜びで、櫛川は唇に笑みを浮かべた。